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サンボマスター/怒髪天/日本脳炎のライブへ

ライブを聴きに、横浜まで行ってきました。サンボ好きの友達の「チケット余ってるよ」日記をみて便乗させていただいた。久々の京急線。学校(青横)に行くには憎いだけの快特も、こういうときにはありがたい。


「NEO MEETS ROCK'N ROLL Vol.1」@横浜BLITZ
サンボマスター/怒髪天/THE BACILLUS BRAINS(THE 日本脳炎)
という面子。(なのに幕間のBGMがたしかJack Johnson…。)


日本脳炎は、ぜんぜん知らなかった。登場時、見た目だけで思った単語「ダダイズム」(意味知らないけどね!)。ゴールデン街天井桟敷あたりにでもたむろしていそうな前世紀的な長髪が…。
しかし、前列で聞いたら、音が大きすぎて俺には無理だ。歌詞も和音も聞きとれない。ディストーションかけてるからというより、音がでかくて。ただひたすらベーデーのリズムが胸にずんずんぐんぐん来てきもちいい。そこに耳をふさぐような音量の、尖った音が複雑に絡み付いていく。雰囲気はきらいじゃないので、ライブじゃなくてオーディオとか、あるいはライブでも屋外で遠くからとか、そういうふうに聞けばいいかな、と。


怒髪天は名前だけどっかで聞いたことがあった。ボーカルの人のコミカルなパフォーマンスが人気があるようで出る前から「アニキー!」コールが飛ぶ。ステージにでてくるなり、リーゼントにくしを入れ、たと思ったらそのまますぱーんっと手から滑ったドラムスティックが飛ぶように、観客の頭上をくしが飛ぶ。
しかし、個人的には4人編成のドラム以外の残りの二人が好きだ。どっかで見たようなアイドル風のリードギターのちょっとナルっぽいのがかわいい(年上に失礼ですが)のと、虹色に染まったぼさぼさ頭をふりふりにっこにこしたままベースを弾くベーシストが楽しそうなのがよかった。一緒にいった友達に、だいぶ長くやってるらしいと聞いたのだけど、たしかにあのサイズにジャストな音量で、一見の客にもわかりやすいパフォーマンスだった。ボーカルの歌詞がぎりぎり聞こえ、ギターソロとベースが共存できるバランスと音量。しかし、あのメロに演歌調の歌い方は、なんかやっぱり可笑し味がある。


トリが、サンボマスター
あれは大箱でもいけるのせ方だわな。反応に関わらずひたすら上げる。
そもそも、圧倒的にファンの頭数が多い感じ。まわりがみんな暗唱してるんだもん。びっくりだよ。ただたしかにやり方にも、メジャー感がある。普段からCD聞いているような人たちを対象にしたステージングをする。おそらくそういう雰囲気に向いてるんだと思う。キャラクターを生かしたMCもだいぶ年期を感じた。実際、バランスがよく、安定感があった。なんか業が深いのかもしれない。
そしてバンド全体が、一番ストイックで天才的な感じがした。
ドラマーが事前のセッティング確認のときに、結構長く叩いてたんだけど、すっごい楽しそうだったのが印象にのこっている。ボーカル兼ギターのあの太った人(山口さん)は、たぶん相当理想が高いんだろう。「こんなへたくそな」というようなことを何度か、あと「歌詞読んで、だいたい『涙流れて 雲の上』ってなんだよ。意味分かんないじゃんって落ち込む」とも言っていた。すでに十分突き抜けた存在だけど、まだ何か湧いているんだろう。ソロでギター弾き語りをした曲や、バラード、「ソウルとハードロック(だったっけ?)をあわせてみよう、と作ったらラブソングができた」新曲もよかった。が、おれとしてはやや不完全燃焼だった。あのエネルギーを受け止め、打ち返せるだけのオーディエンスがいなかったということもある(メジャーな活動が向いてそうだと思う理由でもあるが)。それなのに、それにもかかわらずあんまり「きょうの客」に興味がなさそうだったこと。それぞれ、じつは自分たちの音にしか興味がないんじゃないかと思った。よくもわるくもストイックで天才的で、「いつも通り」な感じ。
まあ、とはいえ、この文章量の比率を見ても分かるでしょうけど、サンボが、何か一番強くひっかかったのも確かだと思う。
唯一、本気で気分が悪かったのは観客が声をそろえて叫ぶ「あーいとーへーいわー(愛と平和)」のコール。なぜかまったく切実さが感じられず、あまりにも言葉が軽々しく扱われているように響いた。「イェーイ」や「うぉー」のがまだ、気分を的確に表している(本気でそう思ってる)だけ真実があったのではないか。

しかし、行く途中の電車内ではじめて気づいたんだけど、軽音のライブとか素人のものを除くと、これが人生初ライブなのだよ。

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