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よはいかにしてメンヘラとなりしか

(via 天才ワナビーさんのところのヴィッパサナ−瞑想道場にいく記事。)
で、エントリの趣旨とは関係ないのだけど、id:at_yくんのとこになんかえっらい長々しくコメントしたりしつつも、一方で気になってたことと近いので引用させていただきます。

神経科では薬を出してくれるだけで、こころのケアはしてくれない。
こころのケアはカウンセリングに行かなければならないのだろうか。

これは最近の、薬が主体にあるような、精神科の治療をうけるようになって、ぼく自身が感じたことでもある。実際けっこう多くの人が、なんとなく疎外感を感じてることなんじゃないか。


BGM(笑):


そもそも現在主流の精神医療と、カウンセリングなどは明確に違う。なぜならば「操作的診断」と呼ばれているものが導入されているから。

従来診断においては「こころの病気」である神経症性のうつ病と、「脳の病気」である内因性うつ病と別々に分類されてきたが、現在多用されている操作的診断では原因を問わないため、うつ病は脳と心の両面から起こるとされている。


「脳の病気」という面では、セロトニンやアドレナリンの不足が想定されており、脳内に不足している脳内物質(ドーパミンノルアドレナリンセロトニンなど)の分泌を促進させる薬物治療を行う。これが精神科におけるうつ病治療の主流になっている。

これは現在のうつ病に対する対応をよく説明していると思う。個人的経験ととても一致します。


たとえばこのように有名な診断基準がいくつかある(読みづらいです)。
(「DSM-IV-TR」など質問そのままのことを、テンプレのように聞かれることはないと思うけど。しかし、これを知らない医者もいないと思う。)
こっちの文章もたぶんDSMを一般向けに読みやすくしただけの感じ:

うつ状態には、次のような性質のものがある(うつ状態を呈するからといって、うつ病であるとは限らない)。

こうした様々なうつ状態のうち、臨床場面でうつ病として扱われるのはDSMの診断基準に従って、「死別反応(引用注:愛する者を失った悲しみ)以外のもので、2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している。」というある程度の重症度を呈するものである。

つまり、本人の認識と関係なく、高血圧や高血糖が続いたら病気だとされるように、「うつ状態」という精神的不調で日常的に困る状態が2週間以上続いたものを、ともかく「うつ病」と呼ぶ。で、ぽいっと抗うつ剤がでます。


「ストレス過多で、うつ状態になって、その悪循環から抜け出せずにいる。」というのが「うつ病」。こういうのが現在、おそらくもっとも一般的ではないだろうか。で、悪循環を一旦止めて、自然に治るまで支えるための薬が抗うつ剤


で、遠回りをしましたが、もちろんこのような治療への方針転換は、一方では、精神科にかかることの精神的障壁をひくくしたり、クオリティーの担保に役立っている。たとえば薬の成分は誰が出しても均一だし、あんまり原因追及をしないですむ(生活リズムや日常的ストレスの有無程度)から診断に天才的スキルとかいらない。


初診でも15分とかで済んでしまう。一度行ってみればわかりますが、風邪の治療みたいです。本当にあっけない。何話したらいいか分からないし、ぽつぽつ質問に答えるだけ。
で、終わってみて、冒頭の引用みたいな気分になる。
これは、個人的には、操作的診断の弊害だと思う。
メンヘラがネットでくだを巻く一因である。


もちろん、なかには熱心なお医者さんもいて、薬を処方する際に「薬や人に、すべてをゆだねては駄目。治すのは自分だから。なにかできることを探してつみかさねてみなさい」みたいなことを言われたよ、という話も聞いたことがある。
残念なことにぼくのことではない。
つまり「メンヘラ」的な思考にいくなってことだな。
これ、高専カンファのLT(kosenconf-006tokyo)できいたんですが、とても感心しまして、いつか取りあげようと思ってたのです。


で、たとえば思考の行動パターンを改善するらしい「ライフハック」的なものとして、「認知行動療法」というようなものもある。らしいんですが、ぼくはじぶんで探して見つけるまで知りませんでした。


病気はじぶんのからだに根ざしたものなので、じぶんのものです。治す治さないも。どう治すかも。
と、少々強引ですが、まとまらないのでおわり。

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