第30回野間文芸新人賞は津村記久子さん(30)の「ミュージック・ブレス・ユー!!」(角川書店)、第46回野間児童文芸賞は工藤直子さん(73)の「のはらうた5」(童話屋)。
町田康「宿屋めぐり」が野間文芸賞を取ったらしい。というか未読なのですが(読んでみたい)。
ちなみに同新人賞の「ミュージック・ブレス・ユー!!」は以前読んだ。確かにおもしろかった。
しかし野間文芸賞というのは、なんというか人選がいい感じに渋い。新人部門が別にあるおかげで、「新人すぎてだめ」とか「ベテランすぎてだめ」みたいな感じがないからだろうか。かゆいところに手が届くというか。
たとえば、町田康はすでに芥川賞を受賞している。逆に言えばどんなに良い作品を書いてももう芥川はない。でも、芥川賞さえ取れば十分な評価がなされたといえるかというと、そんなことはないと思う。かといってインスタントな賞を勝手に作って出しても、それは評価したことにはならないだろう。じゃあ…というときに(そうじゃないときにも)野間文芸賞ってのが、あったのか!これなら、芥川賞とか関係なく出せる。つまり、知名度はともかく、権威はほんとにすごいんだなあ。と、つまりこれ、いまさら感心してるわけですが。