- 作者: 山本甲士
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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釣りの魅力(魔力)と生態系の問題が、なんだかいろんなちっちゃい事件やトラブルやドラマを巻き起こす。たぶんこれは「連作短編」というのだろうけど、人間同士が直接どうのというよりは、池と池の生物たちを中心にして、そのまわりに、ぞろぞろいろんなやつが出没しバカな事件を起こしたり魚を釣ったりする。
この、あくまでも中心が生態系にあるような描き方がおもしろい。というか、人間も池の生態系の一部だという感じだろうか。そうすると、「外来」、「在来」とか「自然」、「人工」とかいっても、その境界はどこにあるのか、そもそもそんなものあったのか、よくわからなくなってくるわけ。
しかも、この池、なんだかやたらといろんなものが放り込まれる。人間も何人か落っこちたりするし、糸の切れたルアーとかみたいなものもそうだし、他にわけわかんなくなるぐらい多種多様な魚とかも放流される。
ああ、筋は違うけど水辺つながりで、川端裕人『川の名前 (ハヤカワ文庫JA)』を思い出した。
- 作者: 藤谷治
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そういえば『ばす』にも番組制作会社が出てくるけど、あのひどいディレクター(だっけ?)と比べると、こっちの登場人物たちはかなりまともだ。