対外的な関係を無視しすぎじゃ…
「日銀がお金を印刷しまくる」という提案。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081103/p1
これ、すごい円安になりそう。
で、生活必需品(とくに安いやつ)は、中国製が多い。マネーが行き場を失って、ばんばん海外に流れたら、(安い)生活必需品は長期的には値上がりしそう。
あと、もとは円高になるとよくいわれることだけど「産業の空洞化」みたいな話も、継続的な投資が必要な産業には起こるかもしれないし。ああ、農業には、いいかもしれないけど…。
これに対しては、今回の世界恐慌の件で、円キャリートレードのリスクについては、みんなが身にしみて理解しただろうから、いままでほど盛んに円キャリートレードが行われるかどうかが疑問、というのがあります。
それでもこりずに円キャリートレードをする人達もいるでしょうが、今回の大暴落で、以前よりはずっと風呂桶の穴が小さくなっているでしょうから、少々穴からお湯が漏れたところで、気にせず、ジャブジャブお湯を供給し続ければ、十分に風呂桶にお湯は溜まるのではないでしょうか。
と、あらかじめ反論されているんだけど…。十分ではないと思う。
日銀がお金を印刷しまくると、お札の希少性が薄れてきます。市場の現金の総量が増え、いたるとことで現金があふれている状態になるので、現金の価値自体が減っていきます。お札の価値も、需要と供給のバランスで決まります。
現金ばかりをどっさり持っている人がたくさんでてくるということは、現金の供給が増えるということです。現金の需要が変わらないなら、現金は供給過剰になり、現金の価値は下がっていきます。現金の価値が下がるということは、相対的に現金以外のものの価値が上がるということと同じです。たとえば、株や土地の相対的価値が上がります。
そうすると、現金で資産を保有していると、資産が目減りしてしまうから、現金の資産を株や土地に移し替えることの魅力が上昇していきます。
このようなメカニズムで、マネーサプライの増加は、株や土地の価格を下支えする効果も見込まれえます。
しかも、後述するような社会情勢の変化で、お金を貯めたいという欲求が極めて強くなっているかもしれないのです。
だから、現金で資産を貯めるとその価値が目減りするからといって、資産を貯めるのを放棄して、お金をどんどん使い始めるようなことをするわけがありません。
なので、現金を貯め込んでた人は、現金の価値が目減りするようになると、現金を現金以外の価値の保蔵手段(土地、株、貴金属、外国の通貨・国債・株)に置き換えようとします。
だから、日銀が国債を買いまくると、現金以外の価値の保蔵手段である、土地、株、貴金属などの需要が増え、値段を押し上げる力が強くなりますが、日用品(食料、お菓子、家電)やその場で消費されてしまう贅沢品(レストランとかディズニーランドとか)の値段を押し上げる力はそれほど強まりません。