中国からのスウェーデン郵便(Direct Link経由PostNord)が22日かかる。遅い。
DirectLink沿革
香港やシンガポールから「cylindrical battery」(円筒形電池=機器に内蔵されていないリチウムイオン電池やリチウムポリマー電池)を日本に送るには、規制のゆるいPostNord社傘下のDirect Linkを利用することになる。
PostNordは、スウェーデン郵便局(Sweden Posten)が民営化してできたPosten ABと、デンマークの郵便事業が合併して、ひとつの持ち株会社PostNord ABの傘下に入ったものだ。最終的にはPostNord Sverige ABという名前になっている。今年からブランド名も「PostNord」に変更になったとか。「Nord」は北欧とかスカンジナビアの意味らしい。しかし、Nordだがノルウェーは入っていない。
スウェーデン郵便はDirect Linkのブランドで1986年から順次海外に進出していて、これもPostNord社にも受け継がれている。現在グループの子会社が米、豪、シンガポール、仏、独、英、香港(深圳)などにある。Direct Linkグループは主にオンライン通販業者向け("E-tailers")相手に商売をしているようで、主に通販業者などからの郵便物を引き受けているようだ。
ふつう、郵便を出すには現地の郵便局に預けるしかないわけだが、「民間」の運送会社として一度スウェーデン国内に運び込むことによって、PostNordの扱いにすることが可能になっているのだ。つまり荷物を横取りしているわけだ。よくも、発送元である中国の郵便局が怒らないよな……と思う。
配達の記録をみてみても、郵便物はすべて一度スウェーデン国内に持っていっていることがわかる。そこのターミナルで区分し、(おそらく)通常のスウェーデンやデンマーク発の国際郵便物と同じルートで、配達先である日本の郵便局に送っているのだ。
マルメのターミナルで11日待たされる
しかし、このようにユニークなサービスをしているDirectLinkだが、実は非常に遅い。どうも、このどこかにボトルネックがあるようなのだ。
追跡情報を見ると、具体的にはスウェーデン第3の都市マルメーにあるらしい国際ターミナル(MALMO UTR/MMAH, Sverige)で、11日間程度待たされているようなのだ(「MALMO」はマルメー(Malmö)なのだろうが、「UTR/MMAH」はよくわからん。)
一体どれだけの分量の荷物を仕分けしているのか知らないが、税関を通さなければならない日本の川崎東郵便局だってそんなにはかからない。
そして、11日待たされたあとやっとどこかの空港へ運ばれる。
マルメーにはマルメ空港というのがあるが、日本へは定期便の就航がないので、国境を越えて運ばれ、コペンハーゲンの空港を経由しているのかもしれない。マルメーとデンマークの首都コペンハーゲンのあいだには、海峡をわたるエーレスンド橋(Öresundsbron)というのがあるのだ。コペンハーゲン空港へアクセスがいいという(Wikipedia:スコーネ県)。こっちからは、日本への定期便がある。
飛行機に載ってしまえばこちらのものだ。数日で届くだろう。