ワープロ「書院」のフロッピー読み込みはまだ可能か
このWindows 8の時代に、SHARP製ワープロ「書院」WD-C10のフロッピー読み込む方法を調べてみた。これ、親戚からの依頼なので、手許にワープロの現物がなく、僕にとっては雲をつかむような話なのだが、一応まとめたので、ここに掲載します。
大雑把に分けると、2通りの手法があることがわかった。
- ワープロ本体でプレーンテキスト(.txt)ファイルに変換する方法と、
- パソコン用の専用ソフトで、書院のフロッピーを直接読み取り、Word形式に変換する方法
である。
※2つの手法ではどちらでも、フロッピーをパソコンで読み取るにあたって、パソコンにもFDDが必要になるが、最近のパソコンはついていないので買う必要がある。FDDの価格は下記の通り。もちろんFDD内蔵のパソコンであれば当然買う必要はない。
(FDDはフロッピーディスクドライブ。フロッピーディスクを読み書きする機械=FDD)
コスト見積もり
まず、それぞれの手法のコストを説明する。
- ワープロ本体でプレーンテキスト(.txt)ファイルに変換する方法:
- 専用ソフトで書院のフロッピーを直接読み取りWord形式等に変換:
- FDD代金+ソフトの合計: 16,053〜11,299円
- ソフト: 「リッチテキスト・コンバータ20パーソナル」@10,190
- ソフト: 「コンバートスター セレクト 17」@11,299
- (SHARP純正のソフト「Power 書院」というものがあるらしい。SHARP製の古いパソコンに添付されていたらしいが、現在ワープロ本体以上に入手困難。無理)
- ※FDD代金について
2の値段はソフト1つとFDD 1つの合計なので、組み合わせで異なる。
FDDの値段の違いは、読み書き速度の違いだろうか。
しかし速度に関しては、実際文書ファイルがどのくらいの容量(フロッピー何枚)なのかわからないので、果たして3倍速、4倍速がありがたいかどうかは何とも言えない。FDDの枚数が1桁くらいならどうでも遅くてもいい気がする。
それにしても、オウルテックの高い方には、あっさり中古部品だって書いてあるのにこの値段で、本当にびっくりします。あと、いろんなメーカーの基盤が混じってるので、必ずしもソフトが動くとは限らないとか(「コンバートスター」のページより)。
IO-DATA製の機種は中古が1,500円くらいからあり試してもいいかもしれないが、FDDの動作検証なんて、きちんとしているのか心配なんだよね。3モードというちょっと特殊なタイプなので(2HD/2DDの他に、NEC PC-98xxシリーズ系とかの特殊なFDDが読めるので「3モード」っていうんだっけか?)。それと、古いので、メーカーのサイトにはWindows XPまでしか動作状況が載っていなかったりするのです。
以上がコストの話。以下では、手順などについて簡単にふれます。
ワープロ本体で書式無しのプレーンテキスト(.txt)ファイルに変換
まず、ある意味一番お手軽なのがこれです。
文書ファイルFDを書院のフロッピーディスクドライブに入れて「実行」ボタンを押します。
文書の登録番号を入力するとそのファイル名が表示されます。文書ファイルがシャープ書院内の記憶装置に読み込まれます。
FDDより文書ファイルFDを抜き、MS-DOS フォーマットのFDをいれ、「実行」ボタンを押します
画面に「変換設定」がでます。文書ファイルがMS-DOSファイルに変換され、 FDに書き込みされます。
(現在、シャープのパーソナル書院のWD-X500を使用しています。このワ... - Yahoo!知恵袋より)
もし、現在も
ならば、この手法で文章だけは移せます。
しかしワープロ本体は動いているとしても、この機能がどの型番の書院についているか、インターネットで調べても確かな情報はありませんでした。
ただし、おじさんがご使用の、WD-C10は97年製と、ワープロとしてはかなり新しい部類のものですので、パソコン用のMS-DOS形式のフロッピーも読める可能性は高い*1と思います。なにしろ当時世の中にはすでにMS-DOS形式を使うWindows 95があり、大流行したころだったので。
この方法は、まずワープロ本体で、書院のフロッピーから文書を開き、パソコン用フロッピーに差し替えて、そこにコンバートした文書を保存する、というものです。
もしこの機能で済めば、安く済みます。(ただし、自分の手間を考えると安いとも言い切れませんが。 それと、文書を1つ開いて保存するまでにかかる時間が、数秒なのか、数十秒なのか、数分なのかにもよります。)
ついでに、「コンバートソフト」みたいなフロッピーがワープロに付いてくることがあり、それを使えばWindows 95の頃のバージョンのWord形式にも変換できるとかいう噂もあります*2。
最後に、このように複製したフロッピーをパソコンで読み取るにあたって、パソコンにもフロッピーディスクドライブ(フロッピーディスクを読み書きする機械=FDD)が必要になります。
むかしはみんな付いていましたが、いまではFDDがついている方がめずらしいので、お宅の家のパソコンにもおそらくついていないと思われます。
そこで、USB接続のFDDというものを買います。ただし、次節に書いたソフトを使う可能性を考えて、指定の機種(上記「コスト見積もり」参照)を買った方が無駄にならないと思います。
安く済む一方、この方法にはいくつかデメリットがあり、まず書式や図表のたぐいが全部消えると思われます。あらゆる文字装飾も全部消えます(太字・文字サイズ・左右中央揃え等は消えます)。
また、非常に地味な作業(文書を開いてはフロッピーを差し替え保存、元のフロッピーに差し替え次の文書を開いて……の延々繰り返し)が必要なため、まとまった量の文書があると、すごく労力がかかります。
メリットは、安いことと、文書中に中途半端な書式設定や改行などが挿入されないことです(下記の変換用ソフトでやる方法ではこういったことがよく起きます)。
パソコン+専用ソフトで書院のフロッピーを直接読み取る
別の方法として、変換用ソフトを使うものがあります。
変換用ソフトは2つあります。見栄えがどこまで再現されるかはともかく、これらはフロッピー1枚を一発で変換できるのが魅力ではないかと思います。
- 「リッチテキスト・コンバータ20パーソナル」(Amazonで10,190円)
- 「コンバートスター セレクト 17」(同11,299円)
いずれかを購入。機能には大差なさそう。
どちらも書式まで一応保存されるが、ちょっといじるとレイアウトが崩れたりするかもしれないとのこと。
また、どちらも表計算や住所録などの特殊機能には対応していないと思われる。
ちなみに前者はWindows 7までの対応だが、Windows 8でも一応動作に支障はないとのこと。後者は8.1対応。
に保存した文書を変換できる。(パーソナルフォーマットの2HDディスクは変換不可。)*3
*1:また、ここに同じ型(WD-C10)についての記述があり、これを読んだ限りではMS-DOS形式のフロッピーも読めそうです: ワープロのフロッピーを一太郎で読みたい。 - その他(デジタルライフ) | 教えて!goo
*2:書院で作成した文書をWindowsで読みたい - BIGLOBEなんでも相談室には、付属のコンバートソフトのフロッピーを使うと、他文書(Word、一太郎、オアシス...などの当時のバージョンのフォーマット)にコンバート出来るとの記述がある。