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大渋滞と五合目

オタク文化を山にたとえてみると、現在、五合目くらいまでは道が整備されていて、バスなども通っていて、だれでも観光できる状況が整っている。ただ、頂上を目指そうとすると、やはり自分の足で歩いて登らなければならない、そういうことだと思うんですよ。

これ、羽生・梅田ライン上のどっかで見たぞ。

この10年のITの進化とインターネットの普及によって将棋の世界の何がいちばん変わったか。

羽生さんは簡潔にこう言った。
「将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということだと思います。でも、その高速道路を走り切ったところで大渋滞が起きています」

しかしその先の「大渋滞を抜ける」競争を抜けるためには、それだけではない、もっと違う何かが必要になる。

ところが、大渋滞問題に関しては「もっと違う何かが必要」といわれて、ぼくは具体的な答えを思いつけないでいる。

もっとも、過去にも何度か書いたことがありますが、ぼくはライトオタクが悪いとか、ディープオタクが偉いという話には共感できません。


登山するひと全員が全員、頂上を目指すことはおかしい。やっぱり道が整備された五合目までで満足する、という人が大勢いることは自然なんですよ。

で、やっぱり上を目指す奴はどんな時代でも少数派なんですよね。マニアックに趣味をきわめようとすると、どんどん友だちがいなくなっていく(笑)。


でも、ま、悲観する必要もないと思うのです。どんな時代でも、集団の空気から浮こうが外れようが頂上を目指す人は一定数いるはず。そういう少数派の人間だけが集まった世界もあるし、いまならネットでいくらでもつながれる。


さて、あなたは「観光地的に綺麗に整備された五合目まで」で満足しますか? 「空気も薄いし道は険しいが、眺めがとても美しい頂上」を目指しますか? その選択には、おそらく、あなたの人生観が反映されることでしょう。

で、案外こういうのが解なのかもしれないと思ったりした。渋滞というと、抜けなければいけないものだと言うイメージになるけど、五合目というと、まあそれもありかという感じ。

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