- 作者: 吉川トリコ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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つるはしでがんがん削るしかないもの。自意識。
「由美」という登場人物が、そうやって多少変化したというエピソードが紹介されるんです。
自意識ってある程度は勝手に薄まるみたいだけど、ねじれている部分はぶっこわすしかないんだよなあと。そしてこれがまたアスファルトみたいに結構頑丈というか…少なくとも「ガラスのような」なんてことは多分絶対ないと思う。つうか、ガラスだったらねじれるまえに割れてるし。それ、ガラスのつもりいがアクリル板だったんじゃないの?と。
『「友だちとしての女の子」をここまで魅力的に書いた』というのはたしかにそう、魅力的。
ただね、一応いちばん主要、というか最初にでてくる登場人物が「珠子」というのだけど、彼女の部屋に転がり込んでくる彼女の3人の「友だち」たちが魅力的な描写をされるのに対し、語り手である珠子は、ちょっと不遇だな、と。
幸せのチャンスがとか、そういう問題ではなく。なんか設定通りに、ほんとに相対的に影が薄いんだよなあ…。
解説に入らなかった余談ですが、私は希奈子がいちばん好き! 4人の中で。
「友だちとしての女の子」をここまで魅力的に書いた小説って、なかなかないよなあ……。
現実では、ラフな関係の友だちこそ魅力的だったりするのにね。
ちなみに「希奈子」はモデルやってて、着るものもやることも個性的…という人。