プログラマーになりたい。

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精神的リストラクチャリング

アカペラ

アカペラ

山本文緒の「復帰作」。今でいうラノベのような感じがあった初期、独特の重さがある中期。その後は、どうなるのだろうと気になっていた。確かに新境地だ。


ある種の単純さが出て来た(あるいは戻って来た)と感じた。それは「どうにもならないもの」をどう描くかでわかる。どうにもならないとき、どうにもならないと嘆く、重く引き受けてしまうのか。あるいは、あるものはあるのだから(ないものはないのだから)と、現実的対処以上のことは考えない、考えようとしても建設的に考えられないことは悩まないか。どちらになびくかで、見える景色は大きく違ってくる。
で、こういうふうに、楽観的に考えている方が単純になる。悩みが表面化しやすい状況は、複雑にしすぎる。複雑さは精神的な重さ、負担になる。
そういう「単純さ」が、複雑な状況を乗り越える様子が描かれている。


登場人物が常にイライラと摂動的に動きつづけるような部分がない分、パワフルさこそあまり感じないが、どちらの人々のが強いかと考えても、どっちもどっちだろう。どっちも強いと思う。
ただ、こちらのが明るい。

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