日記のタイトルは気にしないでください。なにも思いつかなかったので。
- 作者: 荒木源
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/10/01
- メディア: 単行本
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なんというか、その部分になると描写が「いかにも」な感じになりすぎてちょっとコミカルだ。なんかスパイもの(読んだことが無いけど)のパスティーシュっぽい感じがするというか。ただ、こういう風に、たしかに「何かの予定調和だろう」という予感はあるんだけど、それでも、納得する前に唐突さにたじろぐくらいに唐突だったのが引っかかった。
そこを分かってて読めば、1冊で、ドラマのノベライズ風のドタバタ感と、音楽の描写の本気モードと、両方楽しめる美味しい本。しかも、そのギャップが逆にリアルだとおれは感じた。フィナーレは、描写もストーリーも大いに盛り上がって、完全燃焼。すばらしい。
あと、学校出たばかりの元吹奏楽部員たちが、途中から登場するのだけど、「部から出たら、やる場所が無いじゃん!」みたいな感覚は、おれにも憶えがあったり、妙にディテールが細かいなところがおもしろい。
ちなみにほんとに認知症だというキャラも、ちゃんと1人登場します(タイトルは明らかに「ボケ老人」を意識してるでしょ?)。ちなみにヴァイオリン。
そういえば、「ロシアのスパイ」で思い出したんだけど、最近「モーニング」で連載が始まったばかりの『BILLY BAT』という、レッドパージのころのアメリカが舞台らしいマンガがあります。これに、オチはとりあえず「ソ連のスパイ」にしとけばOKみたいな会話がでてくる。
公式サイトのあおり文句は「新連載第2回!伝説のコミックを創造した男の物語が始まる!」。
『BILLY BAT』
浦沢直樹
プロット共同制作:長崎尚志
『フィリックス・ザ・キャット』『ミッキーマウス』『ディック・トレイシー』『スーパーマン』『バットマン』『スパイダーマン』『ザ・インクレディブル・ハルク』ーー
あのころ輝いていたアメリカンコミックスの主役たち。
しかし、もっとも熱狂したあのヒーローを人々は忘れてしまった。
こちらもまだ2回目ですが、浦沢直樹のさいきんのテンションの高さはすごいと思う。