なぜ「デジタル」なのか?
いまさら「アナログコンピュータ」などといってもそもそも言葉を知らないだろうし、最近はレコードの総合的な優位を本気で信じている人なんていないに等しいけど。
が、しかし、ではなぜ「デジタル」が「いい」のか。なんでこんなにデジタルが流行りつづけてるのか。
最近の電気・電子機器、例えば「ヨドバシ」などで売ってそうなもののなかで、デジタル回路が入ってなものって、ほとんどないはずだ。
でも、なんでだろう。って思わない?
おれ、実はこういうことに関して一応専門的な教育を受けたにもかかわらず、おれには、その優位性を裏付ける「なぜ」を聞いたり読んだり、教わった記憶が無いんだ。たとえば「デジタル回路」みたいな教科書があったけど、そこにはそんなこと書いてなかった、と思う。
「なぜデジタルなのか?」と、考えたことある?
ウォークマンが廃れて、iPodが流行ってる理由。
なんでもかんでも(いまや電車まで)、デジタル制御になった理由。
とか。
もともとは、アナログよりも、デジタルの方が、エネルギー的にも、回路のサイズ的にも不利だったはずなのだ。単純にトランジスタの数で言えば、一般的にいって、デジタル回路のが多くなるわけだから。(例えがマニアックになるけど、74xxシリーズのレベルではまだ、デジタルなアンプより、アナログのアンプの方が作るのが簡単だよね、とか。)
とりあえず、いまの、おれの答えは
デジタルな情報の表現力は、必ず不完全だ。
ところが、それが伝達の完全性(無限回の複製)、情報の永続性を生む。
これは増幅の倍率が、無限大に近くできることを意味する。
スケールから自由になれる。
また、その「鈍感さ」が
- 密度のの向上と
- 動作の高速化
を可能にした。
そして、ある時点で、それによるメリットが(=量)が、質に転換した。アナログの質的優位性を、量で凌駕したのだ。
そういうことが起きた瞬間が、あったはずなんだ。
と、個人的には、こういう感じのことを思ってるんだけど…。考えをことばにして説明するのが難しいな。
でも、おれらみたいに「電子」なんて学科いた者でさえ、そういう根本的な「なぜ」がきっちり説明されてないなかった気がする。
それなのに「デジタルのがいい」みたいな社会的コンセンサスが暗黙裏にできあがってしまっているのではないか。
これ、やっぱりなんか変だとは思わないだろうか。