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だまんです。

プログラミングや写真や本や読書会のことや、日常のこと。

Wikipediaの「TOEIC」がひどいな…。

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http://ja.wikipedia.org/wiki/TOEIC がひどいことになっていると聞いて見にいったら、本当にひどい。
とりあえず、あきらかに前後の文脈とガイドラインに反して「です・ます」のところをぱちっと消してやろうかと思ったんだけど。それもまあ大人げないし、書かれた内容を消すにはそれなりに精査すべきなので。ここに持ってきて、文句を言うだけにした。

歴史 [編集]

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/08/toeic_9.html TOEIC no turkey at 30という記事 (http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20090811zg.html) で、タイトルは、30周年を迎えたTOEICが押しも押されもしない存在に成長していますという意味のものです。 リードの部分は、1979年に3,000名の受験者でスタートしたTOEICが、受験者の約1/3がリピーターということも手伝って、延べ受験者数が170万人になっているとして、TOEICビジネスの規模の大きさを印象づけた上で、TOEICサイドは、ここまで成長できた要因を、経済情勢やコミュニカティブ英語への関心といった外部的なものに求めているが、その裏には表立って取りざたされない人間ドラマがあるのだと切り出します。そして、これを受けて、草創期の苦労談が紹介されています。北岡靖男氏と三枝幸夫氏とが語らって日本人のための英語検定を構想し、アメリカの業者 ETS に協力をあおいだところ、先方が日本サイドの受け皿として公益法人を求めたので文部省(現在の文部科学省)に相談したら既に英検に肩入れしていた同省からはむしろ邪魔者扱いされ、困って元通産官僚の渡辺弥栄司氏の協力をあおいだらうまくやってくれたという流れです。このあたりの事情につきジャパンタイムズの記事は、渡辺氏本人はインタビューの申し入れに応じなかったが、 his memoirs describe how he overcame Ministry of Education opposition to the TOEIC by taking cover "behind the ministry of trade shield" (その自伝にはいかに「通産省を盾にして」TOEICに対する文部省の抵抗を排したかが記されている)とあったので、確かめたいとの思いから、この部分を調べたら、なんとありました。「波打ち際の考察」というブログで、直接、渡辺氏の本からこう引用していました。 『125歳まで、私は生きる!』の文庫本p106には下記のように書かれている。「TOEICを普及していくには、文部省(現文部科学省)の障壁があまりにも大きかった。当時、教育産業への参入には厳しい規制があり、いとも簡単に潰されかねなかった。私は一計を案じ、古巣の通産省を巻き込むことにした。貿易振興・輸出増進のために、日本企業に対し英語教育による人材の育成を図るという名目で、通産省に許可を求めた。つまり、通産省を後ろ盾にすることを考えたのである」ちなみに、このブログにはTOEICの会長がらみのゴシップが載っていました。なぜか写真週刊誌「フライデー」の標的にされてしまったようです。それはともかくジャパタイの記事は、草創期の話に次いで、TOEICを制作し、日本側にライセンスしている ETS に関心を向け、日本と韓国での大成功で利益があがりすぎ、ETS の非課税法人としての地位を危うくするおそれがあったために営利法人である子会社に事業を移管したいきさつなどに触れています。この中でおもしろいと言うか、目を引いたのが、TOEICの実施団体である、経済産業省が所管する財団法人、国際ビジネスコミュニケーション協会 (IIBC) の話。TOEICを受験されるみなさんが納める受験料はここに集まる訳ですが、会長は元通産省(現在の経済産業省)の商工局長ですから、「官庁の高官が、その官庁に監督される民間の団体・会社に移ること」(三省堂国語辞典)という定義に従う限り、TOEICの広報担当者が言うように「天下りではない」とする方が無理でしょう。ただ、普通の天下りと違ってすごいのが、この渡辺さんという現会長、なんと、1986年の協会設立当時に会長に就任して以来、92歳になる今に至るまで、ずっと会長の職にあることです。そして、ジャパンタイムズの記事の最後のほうに会長(渡辺弥栄司氏)みずからブログに、こう書いて、中学や高校にまでTOEICを普及させたいものだと熱く語っているとありました。 Just imagine what it would be like if TOEIC spread to junior high and high schools all over Japan. The results would astonish people around the world. Japan would rise like a phoenix from the ashes, and Japanese women and men would begin to play more important roles on the international stage. そこで、ネットで、「渡辺弥栄司 ブログ」をキーワードに検索したところ、トップでヒットしました。渡辺氏の「美しい人生」というブログが。上の英文の元となった和文の記事もあり、対応する部分は、こうなっています。 TOEICを中学生、高校生に普及することがもし実現できたらと想像してみてください。世界中の人達がびっくり仰天するようなことが起こるにちがいない。日本が不死鳥のように立ちあがって、日本の女性と男性が世界中で大活躍するのが目に見えるようだ。 皆さんもTOEIC®を受けてみてくださいね。ここでふと気づいたのが問題になった漢字能力検定協会との共通点。あの大久保なんとかという理事長は、創設当時から30年という長期政権。TOEICの会長さんも、もう20数年。ここまではちょっと似ています。ところが「もうけ」の度合いを見ると,様子が違っています。漢字検定公益法人なのに「もうけすぎ」という指摘がことの発端でしたが、あれは、たしか3年か4年かで20数億の利益という話(収益は年間60億−70億円程度)。それならTOEICの方はどうなんだろうと思って、TOEICの主宰団体である国際ビジネスコミュニケーション協会のホームページで平成20年度の決算書を見ると、おおざっぱな話、平成20年度は72億入ってきて、66億出て行ったので6億のもうけ。平成19年度が65億入ってきて、64億出て行ったので、1億のもうけ。収益ないし年商レベルでは漢字検定といい勝負ですが、まあ、公表されている数字で見る限りは「もうけすぎ」と批判されることはなさそうです。ただ、ちょっとおもしろかったのが4人しかいない常勤役員の報酬が大体8,000万円という数字。うんと入って来ても、社長と専務(たいていは奥さん)がぜいたくな社用車、社宅、そして接待で使いまくって赤字すれすれにしておき、それでいて役員報酬はしっかり頂戴するというわが国の(ある種)典型的な中小企業にそっくりの構図です。一方、1億の元手がおよそ20年で60億近くになっているのはあっぱれです。この点は、意地悪く見ると、並の営利法人を上回る商売上手なわけで、これで何で公益法人なのと言いたくなります。まあ、株式会社に改組すると株主の意向を気にしなければならないわけで、この点、公益法人ならよほどひどいことでもしない限りは監督官庁からとやかく言われずに済みますから、楽は楽なんでしょう。しかし、考えてみると、これだけのTOEICブームなのに、その受験料収入で潤っている団体が表舞台に立とうとしないのも不思議と言えば不思議です。新聞広告で大々的に「世界基準」をうたっているだけに、日本人が発案し、アメリカの業者 (ETS) に発注したしたという生い立ちには触れられたくないのでしょうか。そう言えば、このジャパンタイムズの記事、英語検定としてのTOEICの国際的知名度は低く、ドイツの場合、聞いた事があると答えた教師は2.8%しかいなかったという、ショッキングな事実を挙げていましたっけ。余計なところを突っついたりするのでメディア関連の露出は努めて避け、もの言わぬ受験生のみを相手とする姿勢はライセンサーの ETS にそっくりと言えばそっくりです。追記:読者の方から決算書を見ても相当な売上があるはずの公式問題集の分が見当たらないというご指摘がありましたので、ちょっと調べてみたところ、発売元は国際ビジネスコミュニケーション協会 (IIBC) ではなく、別組織の(株)国際コミュニケーションズ・スクールになっています。そしてこの何とかスクール、上で紹介したブログ「波打ち際の考察」が日刊ゲンダイ経由で引用している「フライデー」の記事によると、TOEICの普及業務を独占的に受注している会社だそうで、しかも、なんと、この会社の取締役が理事ポストをすっ飛ばしていきなり国際ビジネスコミュニケーションの理事長に収まったとのこと。記事はこの理事長人事が会長がらみの情実だと言いたいようですが、ことの真偽は別として、問題集の不自然な売り方をも考え合わせると、公益法人が自分たちの言いなりになる営利企業を迂回する形で何かやっていると言われても仕方がないように思えます。

概要 [編集]

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/08/toeic_15.html 先週から始まったジャパンタイムズによるTOEIC特集の連載が、ここに来て、立花隆の田中金脈追及劇のような厳しい姿勢に転じています。きょう、オンライン版に掲載された記事は、タイトルからして、

Where does the money go? http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20090818zg.html

と、ストレートです。 "the money" という言い方は "that money" と同じですから、「あれだけの、あのお金、果たしてどこに流れて行くのか?」というトーンの見出しです。

そしてその下に、

Nonprofit IIBC takes in \8-9 billion annually from English test fees (非営利法人 IIBC の英語検定料収入は年間80-90億)

とあります。財団法人の平均的年収はおよそ6,000万円だそうですから、80とか90億というのは「すごい」としか言いようがありません。しかも営利法人の税率が30%なのに、公益法人は22%です。いずれにしろ、この時点で、何で非営利公益法人がこんなに稼ぐんだと思わせるよう仕向けています。うまい見出しです。

TOEIC の主宰団体である IIBC (国際ビジネスコミュニケーション協会)は、財団法人の看板を掲げていますが、そもそもわが国の法律上は公益を目的とする財団法人しか設立を認められていません。特権的存在です。そして、こういった「公益法人は、税法その他で保護を与えられるので、その設立は主務官庁によって特に許可されなければならない(有斐閣法律学小辞典)」という、特権があるゆえに特別な審査を経て設立が認められる存在です。独立行政法人などと同様、国民に対しての説明責任を負っているのもうなずけます。公益事業を負託された団体ですから、「その管理の状況をごまかさずに正確に知らせるべき責務(これも有斐閣法律学小事典の「説明責務」での解説)」を負わされて当然と言えます。こうした視点から見ると、今回のジャパンタイムズは実にいい所を突いており、読ませます。

記事は、80億から90億という受験料収入はいったいどこに行くのだという問題提起で始まり、最近始まったスピーキング/ライティングテストのような赤字部門もあるが、非営利法人という看板に反して、十分黒字の企業だと皮肉まじりで前半をしめくくっています。

俄然、おもしろくなるのが後半です。こういった財務関係の数字からはわからないが、草創期からTOEICからの資金が流れている一群の営利企業その他の正体不明の団体にスポットライトを当てています。

最初に取り上げられているのが 、出資関係が定かでないものの、International Communications School (以下 ICS )という営利企業。IIBCと同じビル内にあり、しかも、ICS の前取締役が IIBI の新理事長になっているという意味で密接な人事交流がうかがわれます。何をやっている会社かと言うと、TOEIC サイドに言わせると事業に関わるプロモーションだそうですが、なんでまたTOEICの普及のために営利企業と組む必要があるのかと問われると、口を閉ざしてしまうとのこと。

しかし,具体的には ICS は公式問題集の発売元である他、IIBCとICS自体を主たる顧客とする E-Communications といったPCベースのテストやデータ処理あるいは Challenge for the TOEIC Test なるプログラムを手がけている子会社を通じて事業を行っています。わたしの見る所、一冊あたり約3,000円という公式問題集からの売上はかなりの収益をあげるビジネスであるはずですが、別法人の会計に属することですから、IIBC の収支には表れないわけで、何かからくりがあるんだろうなと疑ってしまいます。

一方、この IIBC は、渡辺会長の個人的なからみで漢詩同好会的な団体を後援したりと、財団の私物化という非難を浴びそうなことに手を染めてもいます。一番変なのが、ビューティフルエージング協会の会員になっていることです。この団体、IIBCと同じく経済産業省所管の社団法人で、商務情報政策局という部署が担当していますが、「美しく老いる」という団体名と商務情報政策とどう関係があるんだと不思議です。(事業内容を見ると、法人だけが年20万円以上の会費を払って会員になることができ、会員のため、カラオケ、料理教室、囲碁の会、さらには相撲見物といったイベントが並んでいます)

いずれにしろエージング協会のサイトの左上をご覧になっておわかりのとおり、ビューティフルエージング協会の会長である渡辺弥栄司氏は、IIBCの会長(先般、突然辞任したとのニュースもあるので、それが本当なら元会長)と同一人物。しかも、このウェブページを見ると、エージング協会は、なんと自分で設立した公益法人。ということは、公益法人である IIBC の会長が別途公益法人をみずから作った上、ちゃっかりその会長に収まり、IIBC から会費を納入させているわけで、誰がどう見ても、 conflict of interest(利益相反)があります。

[注記:「波打ち際の考察」というブログが写真週刊誌フライデーによるTOEIC会長がらみのスキャンダル(?)に触れていますが、漢詩同好会の女性会長はなんと、TOEICの渡辺会長が会長を務めるビューティフルエージング協会の副会長だそうで、ますます訳がわかりません]

それより、漢詩同好会の後援と言い、健やかな老い方を研究する団体への会費納入と言い、IIBCの基本運営規則に正面から違反しています。寄付行為(=民間企業の定款)に明記してある設立目的は「国際ビジネスコミュニケーションに関する能力評価、調査研究等を実施し、国際ビジネスコミュニケーション能力の開発および向上を図り、もって国際的な経済活動の円滑化と経済交流の促進に寄与する」というものだからです。「目的外活動」という点では、公益法人資金で関係者の墓碑をたてた漢検と大差ありません。

考えてみれば、熱心に勉強しては腕試しに TOEIC を受験している人たちも、よもや自分たちの払い込んだ受験料がおじいちゃんたちの碁会やカラオケに費やされているとは思わないわけで、人を馬鹿にした話です。

しかもよろしくないのは、 IIBC が積極的に説明責任を否定している姿勢です。公益法人なのにです。今回の記事は、このことを明らかにしている点に最大の功績があるのではないでしょうか。おそらくは記者のねらいもそこにあり、以下で見るとおり、記事の中で、6回にわたり、ノーコメントまたは取材拒否をしていることが明らかにされています。

なぜ ETSへのロイヤルティーが急に2倍になったかに尋ねられると、回答拒否。赤字のライティング/スピーキングについてコメントを求められても無言。なぜ ICS のような営利企業とパートナーシップを組むのかと問われると、ここでも無言の行。ICSの株主は誰か、資本関係はどうなっているかの問いに対しても、 ICSの Hirosuke Matsumoto 氏の回答拒否にあいます。ビューティフルエイジングとの関係を質そうと渡辺(元)TOEIC会長にインタビューを申し込めば、これも拒否。

記事の中でも専門家の見解として取り上げていますが、公益法人だからと言ってもうけてはいかんということではなく、どうやってもうけており、それをどう使っているかを包み隠さず国民に明らかにするのが公益法人の管理者としての責務であるはずなのに、それをまっとうしているどころか、積極的に否定しています。したがって、これを放置している監督官庁の経産省は目が節穴なのか、職務怠慢のどちらかだということになります。

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