だまんです。

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腰が痛いの

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腰が痛いの。しくしくする。
そいえば、今朝はやーな夢で目覚めた。母が定期検診の結果の紙を見せながら『あのね、○○と○○と○○にガンがあるみたい…。』と、穏やかに微笑みながら、少し残念そうに言うのだ。それでおれは、ああ、最近腰とかあちこちが痛いと言っていたななどと思い当たったりして、でも、ぼんやりと混乱している。希望を持たなければならないのだろうか…。でも喪失の予感が拭えず、「なにか」に備えなければとも思っていた。
しかし、自分にできることなんて実はほとんど何もできないのだ…と直感的に理解してしまっていた。それは、恐怖とかではないのだ。しいていえば、ああ…と。生暖かい、生きていることの絶望を感じた。生きているからこそ死ぬのだな…。生きていることはありがたいことだけど、でも、それはいつかは喪失を生むものでもある…。
そのどうしようもなく不条理であること、その理不尽さが、夢から覚めてもしばらく心の中に漂っていた。

伊坂幸太郎/砂漠

砂漠

砂漠

ちょっとエキセントリックな鳥井、「鳥瞰型」の主人公、サンボのリーダーを彷彿とさせるような世の理不尽をまともに受け止めつづける西嶋、いちばんふつうでおとなしいけど超能力者の南、美人で無愛想な東堂。仙台の国立大大学に入ったばかりの4人を中心に、麻雀をたまにやりつつ、変な犯罪にうっかり関わったりしながら物語が転がっていく。
そして、なんとなく関わった空き巣事件によって、本当に唐突に鳥井が不可逆的な傷を負うことが淡々と描かれる。これに対して主人公の抱く思いが、冒頭に書いた夢で見せられた「身近な他人の困難に陥ったときでも、本質的には肩代わりできない」という事実となんとなく似ていた。それ以外でも、淡々と描かれる、あっちとこっちが意外と単純につながったりするストーリーは、人生の儚く、しかし淡々と受け入れるしか無いようなある面をうまく描いていると思う。
傷を負ったり、誰かとぽろっと恋人になったり、ぽろっとぽろっと脈絡なく、あるいは脈絡通りにいろいろ起きるけど、まあともかくは生きているのだな…みたいな。
ともかく、伊坂幸太郎はあいかわらずすごいのでした。

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