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特例有限会社の代表取締役はいつ実質的に辞めたことになるのか

 難しい本は頭に入らないし、簡単な本は飽きる。いったいどうしろというんだ……。

 さて昨日まとめて投稿した件ですが。実はまだ悩んでいる。実際のところ、うちの会社としては、社長が交代しない以上もはや必要ない知識なんですが……。

 代表取締役が互選によって選ばれるとき、代表取締役が取締役も同時に辞任していたときは、彼の地位はいつまで継続すると考えればいいのか。

  • 直後の株主総会に出席できるのか:たぶんできる
  • どうやら、代表取締役が辞表を出しても、総会までは権限が消えないように見える
  • 後任の取締役選任案が可決された瞬間にクビになるのか:可能性はあるように見える
  • 彼は出席権限で議事録に代表印を押せないのか:押せないという説を見た
  • だとすれば新任の取締役は個人実印を押す義務があるのではないか:不明
  • なぜ代表取締役が空席なのに辞めさせられるのか不明だが、取締役の定数が足りてさえいれば、辞任できるのだろうか
  • では、辞表に書く代表取締役辞任の時期を次回の総会終了後になるようにすればどうか

 以上では代表取締役が取締役も同時に辞任するパターンを考えた。条件は特例有限会社(取締役会非設置会社)で、代表取締役を取締役が互選することであった。
 ここで謎なのは総会議事録に代表印を押せないという点だ。

 次に代表取締役が辞任しただの取締役として残る場合である。

  • 総会議事録には議長・議事録作製者として代表印を押せる
  • 互選するまで代表取締役の資格が維持されるらしく、互選書も同様に押印できる
  • いずれも「被選任者は、席上でただちに就任を承諾した」と書ける
  • 前者は、定期総会で満期退任だとそもそも新任の取締役には記名押印する理由がない(まだ一般人だから)
  • 後者は新代表取締役は記名押印するが、代表印があるので実印は求められない
  • だとすると、新任の代表取締役の実印押印と印鑑証明添付を完全に省略できてしまう

これは代表取締役の権限で、すべて記載の通りに議事が行われたと責任をとれるということなのだろうか?

 新取締役が押印するか、実印がいるか、謎が多いのに、「あまり手抜きをしないで、就任承諾書くらい作りましょう」みたいな論調で困る。
 だって、うちで、僕が社長やるとなると、総会は役員兼株主1人+候補者1人だし、互選も2人なのだ。
 まあ、総会は紙面でやって、取締役の就任承諾書(個人実印+印鑑証明)は書くことにしたけどね。
 でも、互選した結果についての承諾書は、ばかばかしいから省略できるものならしようかと思って。

特例有限会社の社長交代の登記をする(4) 「申請用総合ソフト」と提出

目次: (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

申請用総合ソフトの仕様と印刷

確認しておきますが、提出する書類はおおざっぱに三つに分けられる。

  • 申請書のデータ+登記すべき事項のデータ
  • 紙の申請書
  • 紙の添付書面

 ところで、「登記すべき事項」だけはCD-RでもなくOCR用紙でもなく、オンラインで送信することにすると書きました。
 その場合、ここまでで作ったWordファイル全部を印刷・提出するわけではないのです。申請書(最初の2ページ+印紙台紙+登記すべき事項)に相当する内容は、一度「申請用総合ソフト」っていうものの各欄にコピペし、「ソフト」から印刷するのです。(ただし、「課税標準額」が必要だったり、若干フォーマットが違うので、登記してある内容を参照してください。)

 順番としては、このソフトで事前に「登記すべき事項」だけプレーンテキストとして送信したあと、受付(?)されたら、申請書をこのソフトから印刷します。こうすると申請書に送信したデータの番号(申請番号または受付番号)が自動で載っかるわけです。
 印刷は、送信後、データのリスト画面で、印刷したいデータの行をダブルクリックします。そうすると、なんか一度HTMLファイルが作成され、自動でIEが起動し、申請書らしきものが表示されます。このIEの画面を印刷すると、紙の申請書ができあがるわけです。
 印刷位置の関係上、委任状にも契印してしまうという妙な仕様ですが、公式サイトによれば気にしないでいいそうです。

 次に、記入したWordファイルのうち、添付書面の部分だけ印刷します。具体的には最初の2ページ(申請書部分)と最後ページの委任状(あれば)を除いた真ん中の数ページです。
 印刷した添付書面にも、記入例PDFやメモ等を参考に、それぞれの方の実印や認印を適切に捺印します。すべて記名押印で構わないので、氏名は印刷でも大丈夫。
 ただ、この「ソフト」で作った書類は、本来電子署名する前提なせいか、ハンコをどこに押すのか見当がつきにくい。なので、記入例を参考にハンコの数が足りているか確認する必要があります。
 最後に添付書面と申請書をまとめて左綴じでホッチキス留めして、契印というものを押します。

 もちろん、ただの紙ですので、Wordファイルにこの申請番号か受付番号だけコピペしてから印刷しても問題ありません(あるいは番号は本来の申請書記載事項でないから、鉛筆かペンで空白に手書きでも構わないようだ)。

 じゃあ最初から「申請用総合ソフト」を使えばいいのでは?って思うでしょうが、議事録など添付書面は作成できないので、結局いずれにしてもWordとかのワープロで、様式のファイルを開いて書き込む必要があるのです。
 それと、この「ソフト」はあんまり使いやすくないので、情報をメモしていく段階ではWordのが便利だと思います。

あと、じつはさっきからワードワード言ってるけど、僕はWordを買いたくないので使ってません。MacだとiText Expressというソフトがありますが(MavericksならApp Storeで入手)、僕は、軽いのでそれで書きました。
 レイアウトがガタガタになるから微調整が必要だし、印紙台紙に余分な線が印刷されるという欠点もある(そこだけ削除した)けど、まあ、問題はない。
 また、Open Officeというソフトもあって、僕は好みじゃないからあまり使わないが、本件に関してはWordと遜色ないだろう。Open OfficeはMac/Windows/Linux版があります。詳しくはGoogleで。

契印の楽な押し方

 さいごに、契印なんていう特殊技能は、一部の人以外やったことがなさそうなので、僕の知っているコツを書きます。登記所詰めの司法書士の方に習った(というか叩き込まれた)もので、短時間でたくさん押せます。「僕、社長っぽいことしてる〜」っていう気分になれるかも。

  1. まず、そもそも、ホチキスで止める位置の近くまで印刷しない。
  2. ホチキスでとじる。
  3. ページを、境目からホチキスの針が見えない程度に軽くめくり、短い(5センチくらいの)折り目をちょちょっとつけます。
  4. 折り目は爪できっちりつける。
  5. 次に、朱肉を全体につけて、折り目をまたぐように捺印。
  6. ハンコの折り目付近で印影が出ないことがあるが、気にしない。

 これを教えてくれたベテランの司法書士さんは、ホッチキスの位置なんて完全に無視。かなり余裕を持って折り目を入れていました。ともかく、印影が印刷した文字にかからなければ問題ないらしい。

 どこに折り目をつけてもいいとなると、高速化できるんです。定款全部やったのに、1分かからなかったのではないかと思う。

 たしかに、ホチキス針の位置って記録に残す必要はないんですよね。最初、あまりにもホチキスから遠いところに折り目を作られて、「えーっ!」とか言ってしまいましたが、「いいから、いいから」って言われてがんがん捺印させられました。
 僕が、定款の綴じる側のマージンをかなり広めに作った(契印の直径の3倍くらい)せいもありますが、それにしてもこんな位置でいいんですか(!)って感じでした。
 つながってりゃ、ホチキスから離れていようが、折り目が多少斜めになろうが、なんでもいいみたい。

 まあ、今回の書類は袋とじ(2枚重で厚い)ではないから、それほど難なくできると思います。心配なら印鑑パッドとかを使うといいでしょう。普通は持ってないので、僕はプリンタ用紙を束にして20枚ほど敷くことにしています。
 それに、代表印なんてそこそこ高級なものだし、今回初めて使うわけでもないだろうから、のっぺらぼう状態(周囲の輪郭部分しか出ない不良品)でどうやっても無理と言うことはないですよね。
 それでも駄目なら、古くからの経営者は印鑑を異様に押しなれている人がいますので、どうしてもうまく出来ないなら、元代表者が祖父母とか父母とかですぐ頼めそうなら、頼むのも手でしょう。
 まあ、失敗したとしても、手書きじゃないんだし、3枚くらいだし、印刷からやり直しても大した手間じゃないです。何度も練習すればなんとかなるはず。

 あ、まさかたまたま1万円の印紙が手元にあって、契印より先に印紙台紙にはっちゃった、なんて方はそうそういないと思うけど、印紙だけはぜったい契印のあとに貼りましょう。契印を失敗すると大変です。

管轄の登記所に提出

 さて、できあがったら提出します。
 申請書を書く段階でもう調べてあると思いますが、登記所には、このネットの時代に、なんと地理的管轄があるのですね。郵便局みたいに処理と窓口はわければいいのに。

 そういうことですので、最寄りではなく、あくまでも申請書に書いたとおりの登記所に持参します。
 なお郵送でもいいですが、僕は、何度か書きました通り、司法書士による無料相談サービスを受けたいという下心があるので、郵送しませんでした。提出前の書類チェックくらいならしてくれると思います。
 なお、今回代表者が変わった場合は、印鑑の届出の用紙をその場でもらって、書いて出す必要があるので忘れないようにしましょう。あと、印紙は、付属の売店で買うことができます。
 なお、たぶん職員はお相手してくれません。ここに入れてくれという感じでトレーがありますので、すべての書類をクリップで留め、クリアファイルなどに入れて放り込むだけです。「えーっ、これだけー!?」って感じです。

 長々と書きましたが、これでおしまい。
 まとまりがない上に、あんまり実用的じゃなくてすみません。

特例有限会社の社長交代の登記をする(目次): (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

特例有限会社の社長交代の登記をする(3) 一般人をいきなり「社長」にする・添付書面

目次: (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

一般人がいきなり「社長」になるには

 (ここでは社長=代表取締役のこととします。)
 さて、一般人が、いきなり「社長」になるというストーリーの書類をどう作るのかですが。

 ところで、「社長」という言葉を使ってきましたが、登記のしくみ上はこの用語はありません。法律上の会社の代表は、「代表取締役」がついている人なのです。
 ただし、わかりやすいように、ここでは社長=代表取締役の場合に限定して話を進めていきます。
 なお、会長など他の人が「代表取締役会長」だったりする場合の社長交代は、登記上ヒラ取締役の辞任&就任と同じなので、わりとかんたんです。しかし混乱するので、ここでは扱いません(必要なら検索してください)。

まず新任者を臨時・定時株主総会で取締役にします。

 取締役でない人を社長にはできないので、株主総会で一旦ヒラの取締役にします。ここではまだ登記しません。

 取締役就任は、どんな会社だろうと——取締役会があってもなくても、代表が互選でも——取締役たち自身の権限では決められません。必ず総会を経ないといけません。
 したがって「取締役就任」と「取締役重任」の証拠としては、取締役を選任した株主総会議事録だけが有効です。
 証拠というのは、登記の際、きちんとした手続きを経て選んだという証拠を示す必要があるのです。そこでこの取締役を選任した株主総会議事録が必要になります。

次に、取締役の中から代表取締役を選びます

 これについても登記の際はきちんとした手続きを経て選んだという証拠を示す必要があって、

  1. 代表取締役を選任した株主総会議事録
  2. 互選書

が必要です(どちらになるかは定款の規定による。規定がなければ1)。

以上の書類をそろえて、登記申請を行います。

代表取締役の選任について

 といっても、これだけでは議事録の内容をどうするかがわからないですよね。なのでもう少し詳しく書きます。

 一般人を取締役にした後、これを代表取締役=社長にする方法についてもう少し書きます。
 株式会社および取締役が2人以上になった特例有限会社では通常、代表取締役を選ばないといけません(定款に「代表取締役」「代表者」「社長」などの規定があるとき)。何事も定款を見ないと判断できないのですが、ここではありがちなパターンについてのみ考えてみます。

 下記の箇条書きは株式会社(含む特例有限会社)での代表取締役選任の全てのパターンです。
 特例有限会社は法令上、取締役会を設置できないので下記の下側(「取締役会非設置」)のうち、いずれかになります。(うちの会社では前述の通り「互選」パターンでした。) なお、カッコ内は登記のとき提出する主な添付書面です。

  • 取締役会設置:取締役会の決議により選定(取締役会議事録)
  • 取締役会非設置:次の3パターンから定款で決める。
    • 定款に名前を書く(株主総会での定款変更の特別決議の議事録)
    • 定款に取締役の互選と書いてある(互選書、就任承諾書+印鑑証明書)
    • 定款に規定がないか、株主総会の決議と書いてある(株主総会代表取締役選任の特別普通決議の議事録)

 何を言いたいかというと、とりあえず定款を用意しないと話が進まないということです。ご理解いただけましたでしょうか。
 さて、それでは、定款を見てどのパターンか分かったという前提で、各パターンごとの書類の書き方に進みます。定款が不明な場合についてもその後で述べます。

株主総会で社長を選任する場合(議事録作成)

 株主総会を行い、必要な決議をします。議事録は各種テンプレートを参考に。
 登場人物を全部集めても1人とか2人にしかならないときは、先に書類(議事録)作ってハンコおすだけでもいいのかな……。そのような場合、可能な限り実態通りに記したい(会ってないのにあったことにしたくない)なら「書面決議」または「みなし決議」という方法もあるが(だいぶ書面が増えますが)。

 ところで、だいぶ余談だけど、取締役も代表取締役も全部株主総会で決める(定款に互選の規定のない)とき、この「取締役選任」と「代表取締役選任」を一辺にやると、第1号議案「取締役選任」+第2号議案「代表取締役選任」として決議してよいのだろうか。つまり、通常、選任した新しい取締役は株主総会の閉会をもって就任となるのに、まだ厳密には取締役に就任していない人間を代表取締役に選べるのかということだ。
 この件、うちは株主総会1回で書いてみることにした。ちなみに、間が空く場合、社長は次の社長が選ばれる株主総会の終わりまでは社長の務めを果たすらしい(空白はできない)。
 株主と役員の全員が同意しているんだから、1発でやっても2発に別けても変わらないし、ね(?)。

 そういうわけで、以上のことを議事録にするとこんなかんじだろう。
 ちなみに、「退任」は任期切れ。任期途中で辞表を出すのが「辞任」だそうだ。

第1号議案 取締役及び監査役の任期満了に伴う改選に関する件
 議長は,取締役及び監査役の全員が本定時総会の終結と同時に任期満了し退任することになるので,その改選の必要がある旨を述べ,その選任方法を諮ったところ,出席株主中から議長の指名に一任したいとの発言があり,一同これを承認したので,議長は下記の者をそれぞれ指名し,これらの者につきその可否を諮ったところ,満場異議なくこれに賛成したので,下記のとおり再選重任(※新任者の場合は就任)することに可決確定した。
取締役 法務 太郎
同   法務 一郎
同   法務 次郎
監査役 法務 三郎
なお,被選任者は,いずれも席上その就任を承諾した*1


第2号議案 代表取締役の任期満了に伴う改選に関する件
 今般代表取締役法務太郎が取締役の任期満了により代表取締役の資格を喪失し退任することになるので,改めて当会社の代表取締役(社長)を選定したい旨を述べ,その選定方法を諮ったところ,出席株主中から議長の指名に一任したいとの発言があり,一同これを承認したので,議長は下記の者を指名し,この者につきその可否を諮ったところ,満場異議なくこれに賛成したので,以下のとおり
可決確定した。
代表取締役 法務 太郎
なお,被選定者は,席上その就任を承諾した。

なお、この議事録に、
「なお,被選定者は,席上その就任を承諾した」
という一言がないと、他に新社長の就任承諾書と印鑑証明が必要なるかもしれません(互選書においても同様)。
 この手の議事録の非公式なテンプレートはいくらでも転がってますが、読むときは慎重に。
 また、この議事録に限らず、すべての行について意図が説明できるか、1行ずつ検討してみることは重要だと思います。大抵は法令や慣例によるルールがあって、上記の例のように、ときどきルールを守らないと面倒が増えるのです。もちろん書いてある以上の意図がないときもありますが。

 あと、代表取締役が取締役ごと辞任するときは、後任の取締役を選任する総会のときに、氏名の後に代表印で押印できないらしい。
 総会議事録には、前代表取締役の名前の横に代表印を押すことで、他の前取締役は認印ですむ…はずなのだが、これができるのは最低限取締役として残るときだけなのだそうです…。
 代表取締役が取締役ごと辞めたり、登記所に提出した印鑑を株主総会の議事録に押印できない場合は、出席した(従来の)取締役全員が印鑑登録済みの印鑑を議事録の氏名のところに押し、「株主総会議事録に押印した議長及び出席取締役の印鑑証明書 ○通」が添付書面リストに追加されます。

 うーん、がんばって全員分の印鑑証明を集めるしかないか…。

互選で社長を選任する場合(互選書)

 ところが、うちの会社は、ここまで研究したところで定款が発掘され、ばっちり「互選」って書いてあったので(つまり株主総会の後に、代表取締役選任の会議を取締役だけで行い「互選書」を作るので)、上記の「同時にやっていいのか」という悩みは根本的になくなりました。っていうか、社長がやっぱり辞めないとか言い出してて、二重に関係ないという…。

 互選書の書式はわりとシンプルですので、ググってください。
 互選書だけではだめで、社長は互選だと書いてある定款のコピーが要ります(最後のページの次に紙を追加、奥書+代表者印)。

定款がどうしても見当たらないとき

 このように、提出する必要があるかどうかは置くとしても、定款を読まないと話が進まないわけですが、見つからないこともあるでしょう。
 一応、登記所は設立から5年*2公証役場は20年保管しているそうです。どうしても、必要ならそのような方法もあります。
 しかし、定款がどうしても見当たらない上に、公証役場の保管期限(20年)も過ぎているとき。あるいは、保管してあるもの(原始定款という)から変更してあるとき。
 このような場合、登記事項(登記所で登記事項全部証明書を買うか、「登記情報提供サービス」のデータを買う)と一致するようにでっちあげます。株主総会での定款変更の特別決議をしたことにすればいいらしいです(どうせ定款をてきとーに保管し、紛失してるのに事件にも問題にならない会社は、どうせ株主も全員身内とかでしょう……。銀行も預金だけだよね……)。まあ、定款は株主や役員や債権者が納得していればいいと思う。
 つまり、新定款と、定款を変更する株主総会の特別決議の議事録を作成するだけでいい。公証役場を訪問するより、こっちのが楽だと思う。
 こうすると、ちゃんと定款を全面変更したことになるので、気分は「でっちあげ」であっても正式なものになります。

 ちなみに、この定款については公証人の認証もいりません(あれは原始定款のみ)。たぶん登記も必要ないはず(登記と矛盾しないように作ってあれば)。

 うちも、こうなる覚悟をしてたので、僕もしましたが、幸い代表者が書類保存の上手い人らしく、30年モノの定款がサクッと発掘され、びっくりしました。なんだろうこれ、これが和文タイプってやつ?それともまさか活字組んだの?みたいな。高かっただろうねえ…。まあ、原本じゃなくてコピーで、その精度が低くて訂正部分が読めないけど。
 いまどき原始定款に手書きの訂正が入るなんて、よほど急いでるときだけだと思いますけど、なにしろ昭和50年代ですので(今なら普通プリントアウトしなおすよね)。
 そして、関係ないですが、設立者がこのとき30歳くらいで、地味にショックを受けたぜ。今の俺と変わらないじゃないか……。

添付書面

 互選書や議事録はそれぞれ法務省のテンプレや、ググって引っかかったもののつぎはぎですが、細かいことに注意が必要です。
 まあ、しかし面倒ですよね。うちは書類がそろってなかったせいもあるけど、ここに書いてあるようなことを調べ、提出書類を絞り込むだけで、素人がやると1週間以上かかっています。いっそのこと、司法書士とかに頼んだ方がいいかもね。頼むと、辞任や就任から、もう逃げられないし。
 はっきりいって開設登記のが簡単。登記事項を調べないで済むし、パターン少ないし、さがせばいやというほど出てくるし。

 結局、みんなこの添付書面の嵐に耐えられないんだろうな。
 まあ、ここまで書いていまさらだけど、無理そうなら、早めに見切りをつけて、近所の司法書士に見積もりを頼んだ方がいいんじゃないかなと思います。だって、せいぜい数万円とかじゃない? 家の近くの司法書士に頼めば、登記所まで行かないで良いんですよ。
 僕ももし突然誰かが死んだりして登記してくれ、2週間以内にやってくれとか言われたらパニックになると思う。

 で、添付書面ですが、

  • 株主総会議事録(取締役選任)(出席取締役=前取締役全員の記名押印、前代表取締役が新取締役の場合だけは代表印)
  • 互選書(社長選任)(取締役全員の押印、前代表取締役が現取締役なら代表印を押し、印鑑証明不要)
  • 互選規定がある証拠として定款のコピー(代表印で奥書・契印)

が必要になります。

 あと、微妙に登記する内容がちがうときもググって、必要書類と登記事項が同じでいいのか確認しましょう。僕はこの段になってもまだ頻繁にググってます。
 それにしても、新任で代表者になる可能性があって、しかも社長が役員もおりる可能性があるとか、そういうとき法務省のテンプレはその辺が曖昧というか、そのパターンを考慮してないようで、ちょっと困りました。
 それと、いまの社長が退任するなら、特例有限会社だと、取締役の人数と定款との兼ね合いで「代表取締役」を消したり追加したりする場合がありますが*3、その辺の機微も様式にはなかったと思います。

特例有限会社の社長交代の登記をする(目次): (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

*1:注には、この文言があれば「申請書に就任承諾書を添付することを要しません。この場合,申請書には 「就任承諾書は,株主総会議事録の記載を援用する 」と記載してください」とある、重要な一文です。なお、申請書のどこに「就任承諾書は,株主総会議事録の記載を援用する 」を書くか、ということが書いてないが、僕は1ページ目「就任承諾書書 1通」を消して挿入した

*2:商業・法人登記に関する“よくある質問”:東京法務局 Q8

*3:有限会社に取締役が1人になった場合、代表取締役は設置できないので抹消したり、逆に取締役2人にしようとしたら定款に規定があって代表取締役を選ばなきゃいけなくなったりする。あるいは定款に代表取締役の規定がなければ、思いついて代表取締役の欄を抹消することもできる。

特例有限会社の社長交代の登記をする(2)「登記すべき事項」と申請書記入

特例有限会社の社長交代の登記をする(目次): (1) (2) (3) (4)

基本方針: 紙で申請、オンラインで「登記すべき事項」を送信

 ここでは、オンライン申請は使いません。ただし、「登記すべき事項」と呼ばれるプレーンテキストのデータがあり、これだけはオンライン申請用のソフトを通して送信します。
 もちろん、MacなのだしWindowsなんて久しく使ってないので、無駄にVirtualBoxWindows XPです。
 これについては、はっきりいってMacならCD-R提出のが早いと思う。まあ、趣味ですね。一応、処理状況を見れるし。

 (CD-Rの場合、申請書1ページ目の「登記すべき事項」欄*1について、「別添CD-Rのとおり」と書きます。それ以外はオンライン申請でもCDでも同じはず。詳細は法務省:商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した磁気ディスクの提出についてを見てください。
 Macなら「mi」(無料のテキストエディタです)などで文字コードをShift-JIS、改行コードをWindows向け(CR+LF)に調整し、「(会社名).txt」等の名前で保存します。MacはOSの機能でデータのCDを作れたはずです。なんか特殊なフォルダを作って、ファイルをそこに置き、右クリックから焼くのかな? ブランクディスクは適当に安いの買ってください。FDDは所有してないのでわからないけど、Windows/MS-DOSフォーマットの2HD(ふつうのやつ)をなんとか調達できるのであれば。
 いずれにしてもCD-RならMacで困ることはないはずです。
 (はっきりいって99.9%容量の無駄だし、返還する前提で考えればフラッシュメモリのが便利だと思うし、この説明のフォントの下りなども7年前も今回も僕は相当イラっとしたんですが、まあ仕方がない。FD・MOだけとか言われないだけいいと思わなければ……。))

なぜオンライン申請にしないのか

 なぜ全部オンライン申請にしないのかですが、そのために電子証明書という、司法書士か法人代表者の印鑑に相当するデータが必要なのです。だけど、これの発行料金がハンコの登録に比べてはっきりいって不当に高く、その割には賞味期限が短い。しかも、これを申請して受け取るために、結局1度は登記所に出向く必要がある。それなら印刷したものを郵送や持参しても変わりません。
 この値段と不便さでは、よほどしょっちゅう会社の印鑑証明(410円くらい)を取得して使う人じゃないとペイしないのではないかと思われる。今のところ、素人がわざわざオンライン申請する理由はないだろう。
 たしかにセキュリティレベルは高そう(通常のメール等のPGP公開鍵暗号電子署名SSHのレベル)なので、大会社で、電子的な契約書や、電子化された取締役会議事録に、外部の権威づけのある電子署名をつけたい場合は、使えなくはない。
 でも、保管義務のある資料に、古い電子署名が付いていた場合、期限切れ後はどうなるのかな?と考えると、あまりおすすめはできないかな……。

テンプレートのダウンロード

 書類作りは基本的には、法務省:商業・法人登記申請のなかから、必要な登記のパターンに一致する様式を選んで書類を作ります。
 ブラウザの検索機能を使うと見つけやすいかもしれない。ただし、「特例有限会社*2「株式会社」などで分かれますので、検索するときは注意してください。

 さて目的のパターンが見つかったら、記入例のPDFをよく読んで、まず自分の申請内容と合っているかを確認します。ちょっとの差で必要書類や文面がごっそり変わることもあります。
 ちょうどいいものがなければ、株式会社の例も探し、いくつか合併して対応します。そして、その書き方が正しいかは、ググってヒットした、司法書士のブログやヤフー知恵袋の回答を見るなどして確認します。

 僕の場合はこの段階で、「特例有限会社」の節に、

  • 「商号及び目的変更」
  • 「役員変更(辞任等により新たな役員が就任した場合)」

という2例を見つけたものの、同時にやっている事例がないので、これはどうやら2件に分けて申請する必要があるらしいですね。
 むしろ設立登記のように1発で済む場合や、「目的」と「商号」のように抱き合わせになっているパターンのがめずらしいです。
 申請書は1つの区分について1通作るものと考えるべきなのでしょう。

 さらに、代表取締役の交代をともなうならば(執筆時点で代表取締役が交代するのか否か不明)、「役員変更(取締役及び代表取締役が重任した場合)」の様式を援用するつもりです。

 ところで、調べてみたら、有限会社では取締役1人のとき代表取締役の登記をしない(抹消する)らしいことが判明。これはもう登記のデータをなんとかして取得し、1人なのか2人なのか調べないと書けないじゃん、と。
 そう、実は全役員を把握しないまま登記しちゃうつもりだったのです。目的の登記と違って、役員は差分を送るので、その部分が一致すればできちゃうんですよ。ぜひとも真似しないでいただきたいですが。
 世の中には「取締役が誰と誰かなんて社内の常識だ」、というような会社だけではないのです。だって、当人も代表者も忘れてるんだもん……。
 ここの社長さんは、僕の持ってるペーパーカンパニーと違って、きちんと実態があります。いまでこそ定年退職的に商売ごと辞めてしまいましたが、これでも個人商店としては大きく、町工場よりは小さいくらいの規模だったはずなのです。いまでも自社ビルを維持していて、最盛期は人も雇っていたそうです。
 しかし、それだけの実態があった会社でも役員が誰かを忘れているのです。有限会社の役員に任期がない特権による弊害ですね。また会社法施行で出資した人の名称が「社員」から「株主」に変わったりして、混乱したのかもしれません。

 それで、しょうがないから定款を引っ張りだしてもらい、登記事項のデータはPDFを(Theってつけたい)「登記情報提供サービス」で買ったわけです。
 ここは国の認定だか指定を受けてやっている団体なので、国のデータベースに直結していてほぼリアルタイムに近いデータが買えます。
 で、取ってみたら、案の定というか、定員が2名(つまり増減不可)になってるし、無駄に監査役がいるしで、いろいろ予想外でした。まあ、無給の監査役がいるのは困るほどのことではないのだけれど、今回の登記などを、無言でやるわけにはいかないので、若干手間が増えます。

Wordで記入

 利用する様式を特定したら、次に、それぞれのWord形式の様式をダウンロードして開いて、実際の住所氏名などを記入していきます。ダウンロードしたファイルの名前が番号だけなので、リネームしておいた方がいいと思います。
 これを対応する記入例のPDFを見ながら、埋めていきます。冒頭の2ページを申請書、次が印紙貼付け台紙、残りをまとめて添付書面と呼びます。

 取締役・代表取締役の「就任」「重任」(任期切れ直後に再任)の際の添付書類については、会社の形態によっていろいろ違うので、さっきのページの「様式1-10  株式会社役員変更登記申請書(辞任等により新たな役員が就任した場合)」の「別表(Excel)」が参考になるかと思います。
 「1-30 株式会社代表取締役の就任による変更登記添付書面一覧(PDF)」っていうのもありますが、ほぼ同じかな? ちなみに、特例有限会社は「取締役会非設置会社」のところを見ます(特例有限会社は取締役会設置できない)。

 ただ、そうはいっても、基本不親切なので「有限会社 代表取締役変更 登記」などとググってください。Googleで検索すると、本当にあちこちの司法書士が手続きの実際をブログに書いています。法務省由来のファイルは、説明があらゆる事態を網羅しているとはとても言い難いです。インターネット時代以前に比べればだいぶ親切になったのでしょうが。

 法務省の文書を見ていると、自分で申請する人も増えましたけど、やっぱりこの仕事は、大きい変更については司法書士が代理するものだという感覚が抜けきれていない気がします。

 ちなみに僕の場合、一番近いのはこれの「その1 役員変更登記」でした。代表取締役が辞任し取締役に残り、他の取締役が辞任し、新任の取締役が代表取締役に就任するというストーリーです:

 ただし、注意しなければならないのはこのテンプレートに限らず、民間のテンプレは最新の状況と一致していない可能性があることです。
たとえば、このテンプレは平成8年ごろに書かれたものを、会社法施行で一部修正しているようです。なので、ちょっといまの流行とずれている部分(就任承諾の文言が法務省の例と違うし、「特例」が抜けている)があります。ただ、おおむね法務省の様式より情報量が多くわかりやすい(これを見てわかりやすいって書いてしまうのは病気だな……)。
 なので参考にしつつ、法務省で最新の情報とずれていないか確認するというのが賢い使い方でしょう。
 別にここでなくとも、ググって、日付(会社法の以前・以後)をみて決めればいいでしょう。

申請者はだれか: 代表取締役変更について

 法務省様式のどの辺が不親切か、具体例をひとつ。
 社長1人が取締役で、社長退任&新社長就任する場合の登記では申請者は誰になるのでしょうか。
 答えは、申請時点での代表権のある取締役(新社長)です。

 と、いうようなことが、結構書いていないんだよね。分かるけどね。毎日これを仕事にしている人たちに取っては当然すぎて意識に上らないのでしょう。ググっても意外と正解がはっきり書いてなくて、困りました。

 そういえば、代表取締役って、登記されていなくても、正当な手段で選任されたら、その選任された株主総会とかの終了時点で代表取締役の権限を持つみたいなんですよね(就任時期をずらすこともできるらしいけど、法務省の様式にはない)。
 そして、このような登記は事後報告なので、申請書を書く義務は新しい経営陣にいくという解釈のようです。

 ただし、選任した責任というか保証は前の社長の名前でします。議事録にハンコをつくのは前社長の最後の(?)仕事のようです。議事録は総会の一部で、総会中はまだ任期が残っているということでしょうか。ちなみに、役員の任期はふつう定期株主総会の終了をもって退任(再任されたときは重任と書く)となるように決まっています。「定時株主総会の終結の時まで」みたいに。

 これは空白期間を設けないためのようで、所定の任期前に辞表で辞任する時も、代表だったり、最後の1人だったり、定款に定めた定員を割るときは、勝手に辞めたことにはできないのです。
 ちゃんと法律で決まっていて、基本的には後任の人が就任するか代わりの人が来ると辞めたことになるみたい。

 関係ないと思うかもしれませんが、代表取締役が辞任したりすると、かんたんにこの状態になるのです。そういうわけで、後任の互選書に、なぜか辞任・退任したはずの前社長が代表印を押せるのです(互選書を書き終わるまでは社長だから)。まあ、うちの会社もこうなるかもしれなかったわけです。
 でも例えばいきなり役員が亡くなった場合などはそうもいかないので、互選書に取締役全員の実印+印鑑証明で対応するそうです。あらかじめ補欠を指名しておいたり、そうでなければ利害関係者が裁判所に申し立てて仮の役員を指名してもらう仕組みもあるらしい。役員って大変なんですね……。

 でも申請書につくハンコは現在登録してある古い代表印(=代表者印=届出印=会社実印)です。
 なんでこれでいいのか理由は不明ですがが、たぶんこの申請書を書く段階ではすでに代表権が移動しているから、ハンコも譲り渡してあると考えるのかもしれません。
 まあ、登録してある印鑑じゃないと見分けがつかないので、古い方を押してほしいというのが実務的な理由だと思う(法務省様式は代表が交代しない例しかなくて、見ても「登記所に提出している印鑑を押印してください。」としか書いてない)。

 この印鑑(届出印、代表印)を紛失しているときは、ここで作っている申請書に新しい印鑑を押し、あわせて改印の届出書を添付します。
 改印の届出には、新代表者の個人実印(+印鑑証明)を押す。ただ添付書面に前・新取締役全員の印鑑証明がいるのかな?多少やっかいになるようです*3
 代表印を新しく彫ってもらうわけですが、これはいまどきハンコ屋といっても、パソコン直結のプロッタみたいなやつで彫りますので、そんなに時間はかかりません。

 特例有限会社では、取締役が1人だと取締役に「代表」をつけられませんが、もちろん代表権はあるのでここに「取締役」という肩書きで書けば良いそうです。一般向けの名刺などでは「取締役社長」とかになるのでしょう。他方、株式会社だとふつうは1人でも「代表取締役」で、名刺「代表取締役社長」になります(というか、ふつうはそう登記します)。
 法律や運用上、「常務」や「専務」と、ただのヒラ取締役、さらに取締役部長等でも微妙な区別があるようです。が、登記上はみんな「取締役」で、法律に定めのない「CxO(CTO、CIO等)」でもなんでも株主(定款と決議)がOKならOKらしいです。

 ただし、代表取締役でない「会長」「社長」*4が契約書にサインしたのに、会社が後から拒否すると混乱するので、代表取締役っぽい名前の人がサインしたら代表取締役がサインしたのと同じということになる決まりがあるらしい。なので、会社側も一度した契約を勝手に断れないわけです。だから「社長」「会長」「副社長」は代表取締役本人と信頼できる取締役にしか使いません。
 ただ「名誉」は代表権がないのが明らかなので、「名誉会長」などはてきとーに贈ってもあまり問題ないようです*5

 逆に言えば、代表取締役は元々特別なのがわかるので、純粋に好みと定款の定めで「社長」「会長」「CEO」「頭取」「総裁」「総帥」「主筆」など、なんとなく代表者な感じがある名前なら許容されるらしく、昔からバリエーションがあるのです。あと「CTO」も許容されるみたいですね。さらには「社長兼○○」とする例もあって、ここまでくるとなんでもいいじゃんって感じですが。
 (僕も無意識で自分が技術屋でいたい思ってるので、前の会社は1人で代表取締役最高技術責任者って名乗ってました。Appleの法人契約くらいなら、どうせ全部事項証明書が添付だったのでOKでした。)

特例有限会社の社長交代の登記をする(目次): (1) (2) (3) (4)

*1:「登記すべき事項」欄と「登記すべき事項」データは別のものです

*2:すべての有限会社です。なぜ「特例」がつくかというと、会社法では株式会社の特殊なパターンだから

*3:役員変更登記についてある既存の会社を譲り受けることになりました。商号、本... - Yahoo!知恵袋

*4:「表見代表取締役」などと呼ぶ。会社法354条

*5:とか書いたら、最近JR東海代表取締役名誉会長という役職の組み合わせを作ったって記事を見つけてしまいゲッってなった( 『「代表取締役名誉会長」は何する人ぞ?』(東洋経済オンライン))。うーむ、なんだかなあ……。しかし、「代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称」をつけたときというのが会社法の条文だそうだから、JRの事例があるからといって、今後「名誉会長」は代表取締役っぽい名前だとはならないと思うけど……

定款が出てきた

 前回の記事を書いた翌日くらいに代表者から連絡があって、定款が出てきたそうで持ってきてくれました。あと、登記事項のPDFデータを300円強で買えるサービスがあって、そっちは買いました。
 当社の定款の特徴としては

ということであります。
 監査役は意外だった。むかしは義務だったんだっけか? いや、あれか、株式会社(設置が義務)になる可能性を考えたか、銀行への印象を考えたんだろうか。
 そして、さすが特例有限会社。見たら、旧「社員」の登記から引き継がれた「取締役」データに親よりさらに1世代上のよぼよぼな方が混じってて、おーさすが……ってなった。
 旧有限会社のころから、定款に定めがないと任期が「亡くなるまで」「辞めるまで」になっちゃうんですよ。株式会社は最長でも10年に1度は「重任」の登記が必要なんだけどね。それさえ必要ないから(それが特例)、どれだけボケようが、よく亡くなるまで忘れていて、うっかり消し損うらしいですよ(亡くなっても、登記の本来の期限の2週間以内に思い出すかどうか……)。
 これはさすがに、抹消するということで合意。

 あ、プラス1、マイナス1で、なんだ、帳尻があうじゃない(定員2名なので)。

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特例有限会社の社長交代の登記をする(1): まとめ

注意書き:登記って本当は本人がやるべきもので、司法書士や弁護士でもないのに請け負うと違法です。注意してね。
 知識については、「提出前に登記所に詰めてる無料相談当番の司法書士さん(そういうのがいるんですよ)に、見てもらって直せばいいや」といういいかげんなレベルでしか確認してません。何か致命的な間違いがあるかもしれませんが、参考にして損害を被っても、僕やここでネタにしている某社は一切補償しません。注意してね。
 この文章は実用的というよりはポエム的なので無駄に長いと思う。申し訳ないけど、めんどうくさいので整理するつもりはありません。

目次: (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

特例有限会社の社長交代の登記をすることになった。

一般的に調査しておくこと

  • 最新の定款を用意しておく:
    • 取締役についての規定(員数、株主から選ぶなど)
    • 代表取締役についての規定(人数、必ず設置か、選任方法は)
  • 現在の登記事項を確認しておく:
    • 近くの登記所で登記事項証明書(謄抄本)を取る
    • 内容を見るだけなら:「登記情報提供サービス登記情報提供サービス
      • 一時利用で337円で登記事項(現在有効な全部事項)をPDFで見られる(証明能力はないが登記に謄本は使わないのでおすすめ)
      • (オンライン申請かつカウンター手渡しで450円、オンライン+郵送で500円)
    • 会社の正式名
    • 会社の本店の住所
    • 現在の代表者氏名の漢字確認、住所が知っている住所と同じか
    • 変更する予定の取締役の住所氏名
    • 実は名前だけの取締役がいたりしないか
    • (公告の方法が何になっているか等、とりあえず全部読んでおくと後々役に立つかも)
  • 資本金と株主と保有株式の数を調べておく

 この辺までは株式会社や合同会社でも同じだろうか。

特例有限会社

 今回は特例有限会社の登記です。法令上は株式会社準ずる扱いになったのだから、おおむね同じなのかと思ったら、結構「特例」がある。また、特有のルールもあるし、あるいは有限会社にありがちで株式会社ではあんまり見られない定款の規定とかもあります。
 僕は以前、株式会社を設立したときの知識があって、下記では、今回新たに知ったことを中心に書いたので網羅してないでしょうが、僕が調べた事項を並べてみます:

  • 役員の任期に上限がない
  • (関係ないけど決算の「公告」の義務もないらしい)
  • 原則は全員が代表だから(?)、すべての「取締役」登記に住所が入る
  • 取締役が1人になっちゃった時点で、有限会社では「代表取締役」登記を抹消(代表取締役廃止)
    • 定款に「取締役は2人」などと規定されているときは定款を変えるか、もう1人なんとか調達
    • 逆に今回1人から2人以上に増えてしまったときは、定款をなんとか探し出して「代表取締役の選任」の規定の有無と内容を確認し、選任する必要があるか、選任方法は何か調べる必要がある
      • 「互選」による代表取締役選任の規定があったら、「互選書(代表印+新代表取締役実印)」+「印鑑証明」、「定款」のコピーを添付し「代表取締役」登記
        • 定款のコピーは、最後のページの後に白紙を追加してホチキス留め、代表印で契印し、奥書(「この写しは原本と相違ない。」「日付」「取締役 新代表者氏名(代表印押印)」)
        • 互選規定が面倒であれば、株主総会で新定款を決めてしまえばいい(議事録作成)
      • 氏名を定款にハードコーディングしちゃってある(稀にあるらしい)なら、株主総会で定款変更したことにする(議事録作成)
      • 定款がどうしても見つからない場合も、同様に株主総会で定款を変更したことに(議事録作成)
      • 定款に規定がないか、今回規定を消した場合、「代表取締役」を登記しない(抹消する)こともできるし、株主総会で決めてもいいっぽい
  • 会社には代表取締役を設定しないでいい(取締役全員が代表権を持つ。代表取締役複数いるみたいな。)
  • ところで、株主1人=取締役1人の場合、株主総会議事録が法務省の示す例をそのまま使うと不自然になる(というか、満場一致とかいっても1人だからアホみたいである)
    • 見てみない振りをする。
    • あるいは「みなし決議」と呼ばれる形式(書面による合意)もある(テンプレートが少ないのが難点)

 ああ、それにしても、会社の法人登記も2度目ともなると、なんかどんなに不便でもびっくりしなくなってて、いやですね……。
 定款はなかなかでてきそうにないわ、社長がヒラトリか相談役か何か適当な形式で残るのかもはっきりしないわ、新規じゃないから会社名や所在地から調べていかなきゃいけないわで、いまからやるなら新規設立のが楽だったかもな……。

 さっき書いたけど、僕は何年か前に自分で法人の設立登記をしたことがあり、ここには主にその知識では足らなかった点について書いています。したがって、いきなりこのページだけを見てこの書類を書こうとするのは無謀だと思う。
 登記とはどういうものかとか、実は登記申請には婚姻届とかの様な標準的な用紙がないとか、そういうレベルで知らない方は、もう少し包括的に書いてあるサイトか書籍を探した方がいいでしょう。書籍も結構よく売ってるようです。

特例有限会社の社長交代の登記をする(目次): (1)まとめ (2)「登記すべき事項」と申請書 (3)一般人を「社長」に・添付書面 (4)「申請用総合ソフト」・提出

ML115も突然死か‥?

MacBookのHDDクラッシュのトラウマからようやく復活して、さあサーバ立てるぞと思ったら。
部屋に転がしておいたHP ML115が動かなくなっていた。原因不明。
電源投入すると、HDDは回転、3つのファンは正常なのだが、画面は表示されず「ピピッ・ピピッ・ピピッ・ピピッ」とビープ音がして、その後は変化なし。


そう、正しくは突然というよりはいつのまにか。数週間くらい電源いれずに放置してあったので、いつ壊れたのかわからない。というか、そもそも本当に本体が壊れているのかもわからない(じつは壊れてるのはCRTなんじゃないかという可能性も否定できないので)。

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